今月も専門料理の「いいたい放題」(著:上野修三さん)に、考えさせられることが書いてありました。
-------自分で考え出したことは自然に記憶してますが、教わったことは全て憶えられるとはかぎりまへん。そう言えば、「一回教えたことを二度と聞くな!」って叱られましたよねぇ。現代では何遍でも繰り返して教えてくれるけど、昔は「憶えが悪い!」と殴られましたのでね、否応なしに頭に入る。これぞ叩きっ込みやった。(中略)余談ですが、「天皇の料理番」と謳われた故・秋山徳蔵師は修業時代、料理長室に忍び込んで献立を写し盗ったとか。これ、善か悪かはあんたさんの判断次第ですな。現代の料理界ではどないだす、そんな教育したら、社会問題を起こしますわなぁ。そこで学校教育みたいに教えることになるから、教えてもらえるものだと勘違いするお人が居てはりますが。教えてくれるのは必要のあるときだけやから、誰よりも良い調理人になるには、教えてくれるのを待つだけではあきまへん。盗み取る程の意欲がなきゃねぇ。「物を盗ったら泥棒やけど、技術盗っても泥棒やない」って教えられましてね。(中略)食の在るべき道を正しゅう考えるには技術を修める修業とともに、己の精神を治める修行、つまり己を磨くことですなあ。
そして人間の在るべき道、つまり「人道」を考えることに繋がってこそ、人に良しと書く「食」の姿と言えるんじゃないのかな。-----------

「食」って、「人」に「良」と書くんですよね。パソコンで打つ作業が多くなった今、きちんと漢字の成り立ちなども考えて「人の道」を説くということが少なくなっています。
自分を見つめなおそうと思う記事でした。
ちなみに、日本料理店の求人の欄があり、「ソムリエ有資格者で英語が堪能な方は月収50万円~」と書いているものを見つけました。東京のお店ですが、「すごいなー」と思いました。うちのお店に今必要な方は「気配り目配り心配りができる人、意欲がある人。」です。もっとそれ以上のことも求められるようなお店にしたいと思います。
「人」に「良し」の「食」業界に携わっていることに責任を持って仕事をしていきたいと思います。
